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遺言書とは

「遺言書」と書いて、法律関係者は通常「いごんしょ」と読みます。遺言書というと、あまり縁起のよいものではないというイメージがあるようで、当所のお客様の中には、知人に遺言書を作ろうと思ってるというと、そんな縁起でもないものを作るのはよしなさいと猛反対されたという方もいらっしゃいました。
たしかに「ゆいごん」と聞くと、「先立つ不孝をお許しください」のイメージが強い方もいらっしゃるようです。しかし、「遺言書」は「ゆいごん」とは全く性質の異なるもので、自分が亡くなった後、自分の遺した財産をどのようにするかを決めるための法律文書なのです。

では、「遺言書」を作成しておいた方がいいのはどういう人なのでしょうか。

遺言書を作るには

自分が死んだ後、残された遺族に対して、自分の遺産を法定相続分通りに分けるのであれば遺言書など必要ありません。例えば、土地建物を妻に2分の1、子供2人に4分の1ずつ分けるような場合です。しかし、土地建物を妻と子供たちの全員の名義にしてしまうよりは、土地建物は妻に残し、金銭は子供たちに多めに残してあげたほうが将来的に全員のためになる場合もあります。
このように特定の財産を誰か一人に残したいケースや、長男には多めに残したい、次男には一切残したくないような場合。あるいは、子供のいないご家庭も、配偶者以外の人が相続人になってしまう可能性があるので、早めに遺言書を作成しておいたほうが将来もめ事が発生する可能性を減らすことができます。

遺言書にはいくつかの方法がありますが、一般的には 「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類のいずれかになるでしょう。

自筆証書遺言

自筆証書遺言はどこでも誰でも作成できるので最も簡便な方法です。費用もかからず作成できるのですが、手軽に作成出来る分だけ様式は厳格で、少しでも間違えると遺言書としての効力を否定されてしまい場合もありますので、作成の際には最新の注意を払ってください。
また、死亡した後に家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になる場合もあるので、手間と費用が結構かかる結果になることもあります。
まず、作成する上で最も大切な要件は、全てを自筆で書くということです。ほんの一部でもタイプライターやワープロが使われていると無効になります。ですから病気や怪我で手が動かせない場合は自筆証書遺言は作成できないことになります。
遺言の内容文の他に、「日付」と「氏名」が記載されていて、最後に「捺印」をすることが絶対必要です。

「日付」は具体的な日付が必要です。日付が必要な理由は、複数の遺言書が作られた場合、後の日付の遺言書が有効だとみなされるからです。たとえ結果的に遺言書は1通しか作成されなかったとしても同様です。例えば「○月吉日」という記載では具体的な日にちが不明であり無効とされてしまいます。きちんと「○年○月○日」と記載します。

「氏名」は「氏」と「名」両方を正確に記載します。「氏」だけでも「名」だけでも無効です。戸籍上の名前と通称の名前が違う人がいますが、そのような場合は両方記載するか、住所も記載するなどして個人の特定をするのに問題がないようにしておく必要があります。

「捺印」は実印でなく三文判でも構いません。しかし、押されていないと無効になります。

そして最後に封筒に入れて封をします。封筒に入れることは自筆証書遺言の成立要件ではないので、入れなくても無効にはなりませんが、誰かに偽造されてしまう可能性もあるわけですし、自分が死ぬまではあまり見られたくはないでしょうから封筒に入れるべきでしょう。

 

検認の手続き

遺言をした人が亡くなった場合、自筆証書遺言は家庭裁判所で検認の手続きをしてもらう必要があります。それをせずに勝手に封筒を開けてしまうと過料という民事上の責任を負わされることがあります。検認の手続きとは、遺言書の内容が勝手に書き換えられたりしないように、手続きをした時点での遺言書の内容を証明するものです。遺言書の有効性自体を証明するものではありません。有効か無効かを争うのは、また別の訴訟や調停になります。

検認の手続きをしないで封を開けてしまったからと言って無効になってしまうわけではありません。しかし、後々遺言書の内容につきもめ事の種になりかねませんので、きちんと手続きをしましょう。もしも手続きをせずに開けてしまったら、その時点で検認の手続きをしても構いません。つまり、その時点以後の書き換えを防ぐための手続きが検認の意味なのです。繰り返しますが、遺言書が有効か無効かは別の問題です。

つまり、検認の手続きをしようがしまいが、遺言書の有効性にはなんら関係はありません。ですから相続人が全員同意し、どんな内容であろうと一切文句を付けないというのであれば検認の手続きをせずに開封してしまっても構いません。
しかし、不動産登記や銀行預金の払い渡し手続きをする際には、検認の手続きをした遺言書でなくては受け付けてもらえません。くれぐれもご注意ください。

 

遺言書の内容

遺言書の内容は原則的に何を書いても構いませんが、あまりごちゃごちゃと不要なことを書くと、本当に必要な事柄について誤解されてしまう可能性もあります。家族に対して言葉を残す場合でも、財産の分与方法という本当に必要な部分とは別にして、内容が明確になるようにします。

不動産、預貯金、株式、自動車などの記載は誰が読んでも明確に分かる必要があります。とくに不動産の記載は間違えやすいので、不動産登記簿謄本を取り寄せて、その記載通りに書いておくべきです。不動産の場合、登記簿謄本には次のように記載されています。

土地
  所在 ○○県○○市○○町
  地番 ○番○
  地目 宅地
  地積 ○○.○○平方メートル

建物
  所在 ○○県○○市○○町○番地○
  家屋番号 ○番○
  種類 居宅
  構造 木造瓦葺2階建
  床面積 1階 ○○.○○平方メートル
       2階 ○○.○○平方メートル

「所在」というのは一見すると住所と同じようですが、多くの場合、住所とは若干異なります。異なっていると、不動産登記申請が受け付けられません。登記簿謄本か権利証を見ながら正確に記載してください。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証人によって作成される遺言書のことです。公証人というのは、公証役場というところで私的な文書の認証などを行う職業の人のことです。遺言書作成のプロに依頼するわけですから、方式の誤りなどで無効になってしまうことはまずないでしょう。
遺言書の原本は公証人が保管してくれますので、なくなってしまうこともないし、誰かによって書き換えられたりすることもありません。

公正証書遺言を作成する場合は、遺言する人が公正役場へ行くか、あるいはもしも病気などで行けない場合は、自宅や病院などに公証人に来てもらって作成します。遺言書の内容を公証人に伝え、公証人が遺言書を作成します。
何らかの障害によって自分で筆記出来ない場合でも構いませんし、言葉が話せない場合でも意思を伝えることさえできればOKです。

難点は、公証人の他に証人2人の立会が必要で、これらの人たちに遺言書の内容を聞かれてしまうことです。それが嫌でしたら、次の秘密証書遺言という方式をとることになります。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、公証人と証人2人の立会が必要だという点は公正証書遺言と同じですが、遺言書の内容については誰にも知られることなく作成することができます。
自ら秘密で作成した遺言書について、公証人が「この遺言書は確かに遺言者が作成したものである」という事実だけを証明してくれるものです。内容については関与しません。

遺言書を作成する行為には公証人が関与しないため作成方法はわりと厳格で、自筆証書遺言とほぼ同様の注意が必要です。自筆証書遺言との違いは、他人に書いてもらってもいいし、ワープロで作成しても構わないという点です。ただし、その場合、誰に書いてもらったかということも記録する必要があるなどの点につき注意する必要があります。

遺言執行者

遺言執行者とは、遺言者が亡くなった後、相続人に代わって遺言書に記載された内容を実現する人のことです。通常は、遺言書に則って、相続人が遺言書の書かれていることを行えばいいのですが、相続人の中に非協力な態度をとる人がいた場合、滞ってしまう場合があります。あるいは遺言者が初めから、相続人にやらせるよりも法律の専門家にやらせたいと考える場合もあるでしょう。また、内容によっては遺言執行者でしかできない行為もあります。

そのような場合は、あらかじめ遺言書の中に遺言執行者として○○を指定するという一文を記載しておけば、その人が遺言執行者になります。
遺言執行者になる資格は何もありません。信頼できる友人でも構いませんし、あらかじめ弁護士や行政書士に依頼しても構いません。

遺言執行者は、当然に相続人全員の代理人になります。遺言書に記載されている事柄を行うのに、遺言書さえあればよく、相続人からの委任状などは必要ありません。

 

当事務所への依頼

遺言書を作成するときにまず必要なのは、自分の全ての財産と、相続人になる人を正確に把握することです。ですので、ご依頼いただくと、まず財産調査と相続人調査をし、それから遺言書を作成します。事案の複雑さにもよりますが、相続人になる人が配偶者と子供だけで、財産もさほど多くはないという場合は実費も含めて、だいたい10万円を超えることはありません。

報酬額

 財産調査、相続人調査、遺言書の内容の起案とアドバイス  5万円から

報酬額


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