
過払い金返還請求が一般的になってから2,3年が経過しました。業者側は今年が過払い金返還の山だと考えているようですが、まだまだ過払い金返還に関する相談は増えています。
しかし、業者側も以前は返還請求に簡単に応じていたのが、最近では簡単には返還しなくなっています。時効にかかっているだの、悪意の受益者だの、取引の分断だのと、様々な理由をつけて、少しでも返還額を少なくしようというケースが目につきます。
引き直し計算をして過払い金がいくらあるということが分かっただけでは、これらの業者の言い分に対抗することはできません。まずは、過払い金に対する理解を深めて、業者の言い分に対抗できるようにしましょう。
当事務所でも毎日多くの問い合わせをいただきます。その中から多くの方が疑問を抱いたり、誤解をしやすい点について解説していきたいと思います。
【目次】
1.過払い金返還請求に関する誤解 (2008/09/09)
2. 引き直し計算の実例 (2008/09/11)
3. 間違えると大損! よくある誤解 (2008/10/10)(以下徐々に記事を増やしていく予定です。)
過払い金返還請求ができる根拠は、このグレイゾーンにあります。出資法と利息制限法という2つの法律に定められている利率に差があることから生じたものです。
過払い金についてネット検索をすると、次のような表をよく目にすると思います。2つの法律の利率の差を表した概念図です。
この図は分かりやすく端的なのですが、この図を見てしまったせいで、よく誤解されることがあります。それは、過払い金返還というのは、業者側の貸し出し利率(例えば29.2%)と利息制限法の上限利率(例えば18%)の差額を返してもらうことなのだという誤解です。
過払い金返還は、差額を請求するのではなく、業者側の利率がいくらであるということは全く関係なしに、あくまでも利息制限法によって利息額を計算した結果、払い過ぎの状態になっていたら、その分を返してもらうということなのです。

具体的にご説明します。
次の表は、最初に50万円を借り入れて、
毎月2万円ずつ返済した場合を利率が29.2%の場合と18%の場合とを計算した表です。

35回返済した時点で、29.2%の方はまだ返済し終わっておらず、利息分の返済の合計は274,524円になっています。
一方、利息制限法の18%で計算した方は既に返済し終わっていて、利息分の返済の合計は131,112円です。
この場合、過払い金として返還請求できるのはいくらでしょうか?
なんとなく支払った利息分の差額、274,524円−131,112円=143,412円を請求できるような気がしますが、そうではありません。
請求できるのは、18%で計算した結果、支払い過ぎになっている68,888円なのです。
もしも差額を請求できるということになると、例えば1回返した時点でも、利息の差額分12,366円−7,622円=4,744円を請求できることになってしまいます。残額がまだ48万円以上もあるのに、返還請求できるという、おかしなことになってしまいます。
引き直し計算をする際に、業者側の取引履歴に合わせて、業者の貸し出し利率で計算し、ご丁寧に遅延損害金まで付けて、差額を求めようとなさる方がいらっしゃいます。
引き直し計算はそのような面倒なことはせずに、あくまでも利息制限法によって計算すればいいだけのことなのです。
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